三重県保育士・保育所支援センター

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園インタビュー

取材日:2023.09.26

社会福祉法人 博秀会たいすいノース保育園

四日市市

たいすいノース保育園
所在地
〒510-8031 四日市市川北1丁目710番
連絡先
059-327-6612
運営主体
社会福祉法人博秀会

インタビュー

運営で大事にしていることは何ですか?

当法人は保育園を3か所、小規模保育園を1か所運営しており、共通の理念以外に、当園ならではの大事にしていることがあります。
それは「子どもたちだけではなく、職員も笑顔になれる職場づくり」「お互いの良さを認めあい、育ちある関係」「地域の方とのつながり」「子どもが子どもらしく、安心して過ごせる環境であること」です。その中でも、特に「地域のつながり」を大切にしてきました。当園は大矢知地区の待機児童を解消するため新設され、開園から5年、今まで多くの地域の皆さんに助けてもらいました。地域の方が作ってくれた園内の畑で、季節野菜の栽培や収穫、自然について体験を通して学べることは、園にとって素晴らしい財産となっています。また、防犯のために園周辺の見回りをしてくれる方々、老人会や福祉施設の方々との交流の中で、地域の皆さんから温かい眼差しを受けながら、子どもたちは安心に暮らし、健やかに育っています。

また、四日市市内であっても、園周辺はとても自然が豊かで、水路にメダカが泳いでいるのを見たり、虫を追いかけたり、毎日汗をかいて元気に遊んでいます。そんなのびのび遊べる環境の中で、子どもが子どもらしく甘えられる育ちを大切にしています。

保護者の方との信頼関係を築くための工夫として、11月の家族の日に「私の家族」というテーマで色紙を作ってもらいました。
家族の温かさを感じられる、とても感動的な作品展ができ、一緒に子どもの育ちを楽しめるよう心がけています。

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働きやすい職場にするための工夫や取組み、子育て中の保育士への対応について教えてください。

当法人では、仕事と生活を調和させる「ワーク・ライフ・バランス」に取り組んでいます。職員が協力して有給を取りやすい環境を心がけ、令和4年度の有給取得率は86%でした。保育の仕事は体力だけでなく強い責任感や判断力が必要なので、休憩の時間は静かに休める場所を提供し、休暇中にしっかりリフレッシュできる時間をとってほしいと考えています。
シフト希望や転属先、勤務時間の相談などがあれば、できる限り職員の希望に添うようにしています。
今後の課題として、休憩時間以外にも「ノンコンタクトタイム」(子どもと離れる時間)を取り入れていき、効率的に仕事を進められる時間を増やす取り組みをしています。

部屋はクラスごとに色彩を変えており、壁面には季節感のある子どもたちの作品を飾り、保護者にも楽しんでもらいながら保育士の負担軽減にもつながっています。

現在、当園では私をはじめ13名が子育て中で、お子さんの発熱等体調不良の連絡も少なくない状況で、お迎え連絡が入れば「園児さんと同様、自分の子どもも大切に」と退勤するように伝えています。他の職員が積極的に子育て中の勤務をカバーし、理解を持って気持ちに寄り添うサポート体制が整っています。また園行事と職員の子どもの行事が重なった時は、後者を優先してほしいと考えています。
令和4年度は3人が育児休暇を取得し、復帰する際は正職・嘱託・常勤パート・非常勤パートと様々な勤務形態・希望時間での勤務可能です。
子育て中の保育士が育児と子育てを両立するために頑張る姿は、独身の後輩たちへのいいお手本であり、いつかは自身も経験するかもしれないということで、自然に助け合える温かい雰囲気があり、お互いに感謝の気持ちを忘れない言葉がけが多い職場です。

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職員研修体制(内部研修及び外部研修支援)、職員に対する相談支援等について教えてください。

研修は副園長が管理・企画し、内部研修を毎月実施、外部研修は案内を職員室に掲示し、希望者が受講しています。四日市市幼児教育センターの研修を希望する保育士も多く、実地研修も増えてきたので積極的に参加してもらっています。
管理職だけでなく受講した保育士が担当となり、外部研修で学んだことを内部研修で報告する月もあります。
最近では「Z世代」についての研修を行いました。現代の若者たちを理解することで、若い職員へのアドバイスに活かし、ジェネレーションギャップのない職場にしていこう、といったように様々な分野の研修に取り組んでいます。

また、スキルアップのため、希望者には保育活動の専門員(全国保育協議会)や保育カウンセラー(全国私立保育連盟)などの資格取得を支援しています。近年は保育カウンセラーの必要性を強く感じています。保育参観や園だよりでも、研修で学んだことを保護者の方に共有しています。保護者の方にアドバイスしてしまいがちですが、まずは傾聴し、「共感力」を持って人に接すること等、保護者の子育てを応援できる保育士になれるよう伝えています。

情報共有のため、会議は頻繁に開いています。無理なく参加できるよう人数を配置し、園長、副園長、主任、担任とのクラス別会議を毎月勤務時間内に2時間程実施し、クラスの様子や悩みごとを共有し、担任以外も関わりやすい環境を作っています。その他には全体会議、ケース会議、給食会議を行い、子どもの健康状態の情報共有や保護者への対応等、よりよい保育を目指してします。特に給食会議では家庭によって子どもたちの味の好みが違うので、無理に食べさせるのではなく、食べやすい味付けにしていくなどの細やかな所を話し合っています。

また、毎日の振り返りの中で困っていることがあれば担任に報告してもらい、
1日1回すべての職員と会話するよう心がけ、一人で抱えこまずいつでも気軽に悩みを相談できるように、面談の時間を作るようにしています。
責任感の強い保育士ほど悩んでしまうことが多く、園として保護者に対して伝えることや保育士を守ることが園長の務めなので「失敗してもいいよ」と声をかけ、同じことが起こらないよう一緒に考えています。

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「就業継続支援」、「復職支援」のために行っている取組み、新任保育士や復職した保育士に対してのフォロー体制について教えてください。

当園には20代の新卒採用の保育士が多く、フォロー体制には力を入れてきました。各クラス約20名の子どもたちで、0~3歳児クラスは複数の保育士をクラスに配置し、先輩保育士と新任保育士がペアになり、1年間一人ひとり丁寧な指導をおこなっています。
当番や土曜勤務なども先輩保育士と一緒にし、保育士も子どもも安心できる体制を整えており、今年度は他業種から保育士になった新任保育士が勉強中です。
復職した保育士は今までの経験や希望クラスを相談の上配置クラスを決定します。

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園ならではの工夫、アピールポイントなどを教えてください。

当園は開園5年目のキレイな園舎、四日市市で一番広い園庭、大型総合遊具でのびのび遊ぶことができる自然に囲まれた保育園です。真横を走るJRは人気で車掌さんが汽笛を鳴らしてくれることもあり、毎日子どもたちが大喜びで手を振っています。

また、地域コミュニティとのつながりを大切にしています。現在は、地域の方に野菜作りを教わり、地域の伝統食(大矢知そうめん・福助あられ)を給食として提供しています。またボランティアさんによる絵本の読み聞かせを定期的に行っております。家庭や保育園だけではなく地域からも愛されることで子どもの豊かな育ちを支える環境になると思うので積極的に地域コミュニティに参画していきたいです。

当園の前身は英才教育に力を入れた無認可託児所であったことから、それぞれ月2~3回程度の英語・スポーツ・リトミックなどの情操教育を2歳から行っており、年1回の保育参観で英語の講師と子どもたちのやり取りを聞いて、保護者からとても喜んでもらっています。

そして、保育士のやりたい!を叶える場所でもあります。保育に活かせる学びたいことに取り組み、スキルアップしてもらうことは積極的に応援したいと考えています。

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保育士を目指す方、就職・再就職を希望されている方へメッセージ

保育士としての学びは一生だと思います。子育てや保育には完全な答えはなく、その時々で悩みながら向き合っていく連続性のある「学びの場」だと思います。一人ひとりの子どもに寄り添っていくことは、決して簡単なことではありません。ですが、保育士になられた皆さんの根底には「子どもが好き」という気持ちがあるはずです。その気持ちと、子どもやその保護者に寄り添いたいと思う「共感力」があれば、やりがいをもって取り組める仕事だと思います。みんなで笑い、悩み、助け合いながら一緒に仕事をしませんか。

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