三重県保育士・保育所支援センター

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園インタビュー

取材日:2019.12.19

社会福祉法人 なぎ川崎愛児園

亀山市

川崎愛児園
所在地
〒519-0211 亀山市川崎町字上垣内4928番
連絡先
0595-85-8018
運営主体
社会福祉法人 なぎ

インタビュー

運営で大事にしていることは何ですか。

 職員に繰り返し言っていることが二つあります。
 一つは、保育士は国家資格を有する保育のプロであり、プロとして川崎愛児園というチームに集まったメンバーの一人であるという意識を持って働いてほしいということ。チームが上手く機能するように気が付いた人はフォローをする、反対にフォローしてもらうことが多い人は他の人に迷惑がかからないようにスキルを上げる。我々は家族ではなくプロ集団で形成されたチームなんだと伝えています。
 もう一つは、常に改善意識を持って仕事をしてほしいということ。どのような仕事においても簡単に満足しないで、小さなことでも常に改善していく気持ちを持ち続けてほしいと思います。
 クラスの活動に関しては、活動に関する報告は受けていますが、皆プロなわけですから、担任と補助の先生に任せています。

働きやすい環境にするための工夫、取り組みを教えてください。

 まず、風通しの良い環境を作ることを心掛けています。そして会議は30分以内で終えることを目標としています。会議の場では、自分の考えている事や思いをきちんと話すように伝えています。これは子どもに対する保育の姿勢と同じです。次に、これも基本ですが、報連相をとても大切にしています。私は報連相がきちんと出来ていれば、後で問題になることはほとんどないと考えています。
 また、副主任という役職を設け、年齢をまたいだやや広い視点で仕事をまとめてもらえるようお願いしています。副主任という設定は主任にとってもプラスに機能していると思います。主任と副主任とで相談しながら、保育の中身や方向性のとりまとめをしてもらっています。

インタビュー写真
「就業継続支援」、「復職支援」のために行っている取り組み、復職した保育士に対してのフォローや子育て中の保育士への対応を教えてください。

 現在、一度退職した後に復帰してくれた職員が8名ほどいます。復帰を希望してくれた職員にはまず復帰時の就労希望をしっかり聞いて、できるだけ本人の希望に沿った働き方で復帰してもらえるようにしています。仕事に支障が出ないように担当のクラスは別にしますが、復帰時の親子同園も可能です。
 また、パート職員にも多くはありませんが処遇改善手当を付与しています。当然ですが、育児休業や介護休業はすべての職員に保障しています。

インタビュー写真
園の特色・アピールポイントなどを教えてください。

 私達は「正直でおおらかな人間性を育む」という保育目標を掲げ、「自分の頭で考えて、自分の意思で行動し、自分の身体で確かめる(わかる)」という過程を重視したゆっくり保育を実践しています。
 日々の生活を重視した保育を基本として、特別なことはしないけれど大人になっても意味を持つ基本的な所作を、何故そうするのかを理解した上できちんと身に着けてほしいと考えています。例えば、靴を脱いだら揃えるとか、使ったものは元の場所へ元の通りに戻すとかいった所作です。これらの所作は、単に見栄えが良いからそうするのではなく、次に靴を履くときに無駄な時間を要さないため、次に使う人がすぐに使うことができるようにするため、即ち次の行動をスムーズにするための作法です。これらの作法は自己や他者への配慮に基づいて培われてきたものであり、今の社会にこそ必要なものではないかと思うのです。
 また、日々の生活の中で身体を十分に使って遊ぶことを特に大切にしています。「コーディネーショントレーニング」という手法があります。簡単に説明すると、自分が頭に思い描いた通りに自分の身体を動かせるようにするためのエクササイズです。子どもたちが園庭や園庭の遊具を使ってする遊びには、このコーディネーショントレーニングの要素がいっぱい詰まっています。鬼ごっこはその最たる遊びといわれています。職員には日々の遊びの中に脳と身体をスムーズに繋ぐ要素がたくさん詰まっているということを正しく理解したうえで子どもたちの活動を見守ってほしいと伝えています。

保育士を目指す方、保育士として就職・再就職を希望されている方へのメッセージ

 保育士の仕事はきついうえに処遇が悪いという評判が社会に広まっていますが、保育士だけが大変な仕事ではないと思います。何事も真剣に取り組めば楽な仕事なんてないと思います。大変で面倒くさいからこそ、それをクリアすることに達成感や満足感を得られるのではないでしょうか。 「見るまえに跳べ」というフレーズがあります。自分が目指そうと思った世界には躊躇しないで飛び込んでみてほしいと思います。


(本「園インタビュー」は、川崎愛児園 園長 辻 健次 さんにお話をうかがいました。)